ヒラとバイト

会社員を辞め主夫になった夫との生活記録&日々の考えの発表

子鈴と過ごした10日間

今朝、10日間一緒に生活した子鈴が息を引き取った。
あまりに突然の別れで、夫も私も今朝は二人で泣いた。
何とか会社には来たものの、
ほぼ一日仕事といった仕事ができず、
何度も涙が出てきてしまった。
こんな情緒不安定な状態になったのは一体いつぶりだろうか。

土曜まであんなに元気だったのに。
昨日(日曜)、午前中はエサを食べていたが、
何となく食いつきが悪く、一度口に入れても吐き出してしまう感じで、
それでも羽をバタつかせジャンプしたり広げたりしていたので、
飛ぶ練習をして疲れているのかな?というくらいにしか思っていなかった。

ただ、夕方ころから目を閉じて眠っている時間が増え、あ
足を伸ばしペタンとうつ伏せに寝て、
下痢もしているようだった。
大丈夫かな、エサが冷たかったかな。と心配しつつ、
夫がいつもよりカイロの枚数を増やし、
悪い足が楽なように上にワラを敷いてくれたので、
その上にお腹を預けるようにして子鈴は眠っていた。

そして今朝、起きて子鈴の様子を見に行ってみたところ、
呼吸が荒く、苦しそうにうずくまっていた。
夫も私も心配で「子鈴、子鈴」と呼び掛けるが、
目を閉じたまま、苦しそうにあおむけになり、
荒かった呼吸は、さらに荒くなりお腹を上下させて
見ているだけでかわいそうだった。

夫が「子鈴は見ているからお風呂入ってきな」と言ってくれたので、
できるだけ早く出てこようとお風呂へ向かった。

お風呂から上がり再び様子を見に行くと、
夫から「今、子鈴の息が止まった。死んじゃった」と泣きながら聞かされた。
最後に大きく息を吸い、伸びをしたのが最後だったようだ。
息を引き取る瞬間、
飛ぶことのできなかった空を飛ぶ夢を見ていてくれたらな、と思った。

野鳥を保護しても育てるのは難しいと聞いていたが、
これまでの子鈴の様子から
「野生には還れなくても家で元気に過ごせるんじゃないか」
と漠然と思っていただけに、小さい命がいかに儚く、
野生の世界が厳しいものかを思い知らされた。

子鈴は家での10日間、幸せだっただろうか。
それは子鈴にしか分からないことだけど、
道端で一人寂しく死を迎えたり、猫やカラスに食べられてしまうことを考えると、
家族として過ごせたことは良かったのかな、と思う。
(これは看取った私たち人間の自己満足でしかないかもしれないが)

普段、10日間など、あっという間に過ぎてしまう日数だが、
この10日間は不思議と何カ月もあったような、
随分長い時間を子鈴と過ごした気がする。

今日は夫が子鈴の眠る場所を作ってくれたようなので、
帰ったら子鈴に挨拶しようと思う。