ヒラとバイト

会社員を辞め主夫になった夫との生活記録&日々の考えの発表

会社員でなくなると失うものについて

今日は主夫(主婦)希望の方が

実行に移す前にいったん立ち止まり考える機会になればと思い、

以下の記事を書こうと思う。

 

夫が退職するまでのことは、

すごーくスラスラっと書けたのに、

ちょっと難しいことを書こうとすると

えらく時間(今日半日…)が掛かってしまった。

 

さて、会社勤めをしている者が会社員で無くなることで、

私が思うところ、失うものは2つ。

 

一つ目は安定した収入で二つ目は会社員という立場。

その二つを失っても全然OK!という方は、

すぐに主夫(主婦)になって良いと思う。

いや、時間がもったいないのでむしろすぐになった方が良い。

どちらか一方でも「それはちょっと…」となるなら

全然OK!と言えるようになるまで、

ひとまず今のままの状態で方法を模索すべきだと思う。

(夫の場合はどうだったんだろう…)

 

なぜ私がそんなことを言うのかは、

次を読んで考えてみて欲しい。

 

まず一つめの安定した収入を失うことについて。

退職すると今まで毎月同じ日に

当たり前のように口座へ振込まれていたはずの収入がぱたりと途絶える。

 

「退職したんだから給与が無くなるのは当たり前」なので、

給与が振り込まれないことは自体は案外こたえないが、

給料日に浮かれたサラリーマンで溢れかえっている街を

無職の状態で私服でひとり歩くことに耐えられるか。

自分はみじめだと思わずにいられるか。

これが結構難しい。大半の会社員は「NO」なのではないかと思うのだ。

 

二つめは会社員という立場・会社の看板を失うことについて。

「会社員」から「無職」「フリーター」へと属性・立場が変わることに対する

世間の反応は自分が考えている以上にドライだ。

 

特に有名企業に属して社名を振りかざし

(古い言い方だが)ブイブイ言わせていた者が退職後に痛感するのは、

いままで属していた「会社」という看板がいかに大きく信用力のあるものだったか、

そして会社の看板を持たない、ただの「○○さん」にはそれが全く無いという事実。

 

取引先の担当者が敬意を払っていたのは、

「あなた」個人にではなく信用力のある「会社名」に対してだったのに、

そこを誤った認識のまま退職してしまうと、自分の尊厳を傷つけられた、

などという残念な勘違いを起こすことに繋がる。

 

少し大きな例えになるが退職後、自分で起業しようとした際、

自分が持っている口座を持っている銀行は果たしてお金を貸してくれるだろうか。

(普通の中小企業なら運転資金を2%強位で借りれるから)、

会社員時代の感覚で相談窓口で「起業したいから2%ちょっとで貸してくれない?」

なんて言おうものなら、門前払いをくらい二度と話しを聞いてもらえないだろう。

若い窓口の女性に軽くあしらわれたりなんかすると、

「俺は△△会社の部長だったんだぞ!」と言ってしまったりするのだ。

おいおい、今はただの無職のオッサンでしかないのに。

 

そもそも銀行は個人に対して住宅ローン(自動車も含むかな)以外の審査が

非常に厳しく、多目的・不動産ローンという商品はあるものの、

びっくりするほど金利が高い。

それじゃいつまで経っても借金減らねーじゃねーかよ。みたいな。

驚く程に金利を高くしなければ貸せない位、

個人というものは信用されてないのだ。

残念だけど、これが事実。

 

小さいことだとクレジットカードが作れないとか、

ショッピングローンが組めないとか、

関係の無い人にはささいな事かもしれないが、

このことに傷つく人は意外に多いんではないかと思う。

肩書きも何もない「ただの人」になることを

受け入れる勇気を持てるかどうかだ。

 

ちなみに、6年前に結婚したばかりの私は

残念ながら2つとも受け入れられなかった。

結婚当初、2ヶ月程「無職」状態になった私は、

会社員で無くお金を稼げない自分には価値が無いと思ったり、

申込書等に属性を記載する際「主婦」にマルを付けるのが

世間から見下されているような気持になりとても嫌だった。

別に世間から冷たい扱いを受けたわけではないが、

その状態である、ということが自分には耐えられなかったのだ。

 

ということでその後、

私は10ヶ月程の業務委託的なアルバトを経て現在のヒラに至る。

 

主夫(主婦)希望の方は一度よく考えてください。